ページコンテンツ
- 1 デザインはいつ完成するのか?──UX観点からの“完了”チェックリスト
- 2 デザインの“完成”とは、ユーザーの目線で語れる状態
- 3 完成度を判断する14のUXチェックポイント
- 3.1 1. 一貫性は保たれているか?
- 3.2 2. ナビゲーションは直感的か?
- 3.3 3. CTAは明確に設計されているか?
- 3.4 4. レスポンシブ対応は十分か?
- 3.5 5. フィードバックが適切に返ってくるか?
- 3.6 6. エラーメッセージはユーザー目線か?
- 3.7 7. 情報の優先順位が明確か?
- 3.8 8. 目的に対して最小限のステップで到達できるか?
- 3.9 9. UIに無駄な要素がないか?
- 3.10 10. 実際のコンテンツでテストされているか?
- 3.11 11. アクセシビリティに配慮されているか?
- 3.12 12. パフォーマンスを損なっていないか?
- 3.13 13. ブランドらしさが表現されているか?
- 3.14 14. 実際のユーザーからのフィードバックを受けて調整されているか?
- 4 デザイン完了のサインは“納得”ではなく“確認”で決める
- 5 まとめ
- 6 参考リンク
デザインはいつ完成するのか?──UX観点からの“完了”チェックリスト
デザインに終わりはあるのでしょうか。あるプロジェクトでは「見た目が綺麗になったら完成」と言われ、別のプロジェクトでは「ユーザーテストが成功したら終わり」とされることもあります。UXデザインの現場では、「完成した」と自信を持って言える状態をどう定義するかが、チームの意思決定や品質に大きく関わってきます。
この記事では、UXデザイナー Andreas Johansson 氏が提唱する「デザインが完成しているかを判断する14のチェックリスト」をベースに、「完成」の定義を見直してみましょう。
デザインの“完成”とは、ユーザーの目線で語れる状態
まず重要なのは、完成を「ビジュアルの完成度」ではなく、「ユーザー体験の最適化」という観点で捉えることです。Johansson 氏の視点は一貫しており、チェックリストの全項目が“ユーザー中心設計”に立脚しています。
完成度を判断する14のUXチェックポイント
1. 一貫性は保たれているか?
色・フォント・余白・ボタン形状など、視覚的・操作的な一貫性が維持されているかを確認します。ユーザーは一貫性によって操作の予測がしやすくなります。
2. ナビゲーションは直感的か?
ユーザーが迷わず目的地にたどり着ける構造になっているか。階層が深すぎないか、ラベルは明快かといった点をチェックします。
3. CTAは明確に設計されているか?
Call To Action(行動喚起)がページ内で埋もれていないか、ボタンの文言と遷移先が一致しているかなど、UIと挙動の一致性が問われます。
4. レスポンシブ対応は十分か?
モバイル、タブレット、デスクトップといった各デバイスで快適に閲覧・操作できるかどうか。テスト環境での実機確認も重要です。
5. フィードバックが適切に返ってくるか?
ボタンを押したとき、フォームを送信したときなど、ユーザーが操作結果を把握できるような視覚的・音的フィードバックがあるかを見ます。
6. エラーメッセージはユーザー目線か?
単なるシステムメッセージではなく、「なぜエラーが出たのか」「どうすれば解決できるのか」が明確に伝わる表現になっているかを確認しましょう。
7. 情報の優先順位が明確か?
ビジュアルヒエラルキー(視覚的階層)を設計し、もっとも伝えたい情報にユーザーの目が自然と向かうかどうかを検討します。
8. 目的に対して最小限のステップで到達できるか?
クリックや入力が過剰でないか。ユーザーがなるべく負担なくゴールにたどり着けるフローになっているかを見直します。
9. UIに無駄な要素がないか?
デザインの美しさや余白は重要ですが、それがユーザーの行動を妨げていないか。装飾性よりも機能性が優先されているかを確認します。
10. 実際のコンテンツでテストされているか?
ダミーテキストではなく、本番のコピー・写真・動画を使って、UIのバランスや視認性がどう変化するかを確認することが大切です。
11. アクセシビリティに配慮されているか?
視覚障害者や高齢者、色覚多様性を持つユーザーへの配慮がなされているか。コントラスト比、キーボード操作、音声読み上げ対応なども含めてチェックします。
12. パフォーマンスを損なっていないか?
デザインが重すぎて表示速度が低下していないか。UXは速さとも直結しており、特にモバイルでは致命的になり得ます。
13. ブランドらしさが表現されているか?
トーン&マナー、配色、ビジュアルスタイルなどがブランドの方向性と一致しているかを再確認しましょう。
14. 実際のユーザーからのフィードバックを受けて調整されているか?
プロトタイプやベータ版を通じて、実際のユーザーの声を聞き、それを反映しているか。チーム内だけで完結しない姿勢が求められます。
デザイン完了のサインは“納得”ではなく“確認”で決める
上記のチェックリストを通して分かるように、デザインの「完成」は感覚ではなく、客観的な指標に基づくべきです。「なんとなく良さそう」ではなく、「この要件はすべて満たされている」と明示的に確認できる状態が求められます。
まとめ
UXデザインの現場では、完成の基準を明文化することが、品質の均一化とチームの合意形成に繋がります。今回紹介した14のチェックポイントは、ユーザー視点での“使いやすさ”と“ブランド整合性”の両立を目指す上で、大きな指針となります。次に「このデザイン、もう完成?」と思ったときは、このリストを見返してみてください。






























