ブランドは「使いやすさ」で記憶される?UXとブランド印象の深い関係

UXがブランド印象を左右する理由

「ブランド体験」は広告ではなく“使いやすさ”で決まる

どれだけ美しいロゴやコピーを展開していても、実際のサービスやWebサイトが使いづらければ、ユーザーはそのブランドにネガティブな印象を抱きます。
ユーザーは「体験」そのものをブランドの本質として記憶します。つまり、UXはブランドの“実体”なのです。

認知心理学におけるUXの影響

心理学では、視覚や操作性、期待との一致が「記憶」に強く関わることが分かっています。
UX設計はユーザーの無意識に働きかけ、ブランドへの好印象や信頼感を醸成する役割を果たします。

UXが記憶に残る理由:ピークエンドの法則

体験の「ピーク」と「終わり」が印象に残る

心理学者ダニエル・カーネマンによる「ピークエンドの法則」によれば、人は全体の平均的な体験ではなく、最も感情が動いた瞬間(ピーク)と終了時(エンド)の印象を記憶します。
UX設計においても、操作の快適さや最後の成功体験がブランド印象に直結します。

UIの「最後のひと押し」がブランドを決める

たとえば「購入完了時のアニメーション」「エラーメッセージのやさしさ」「問い合わせフォームのわかりやすさ」などは、体験の終わりを演出する重要な要素です。
この“終わりのUX”が、その後もそのブランドを使いたくなるかどうかを決定づけます。

ブランド戦略にUXが欠かせない理由

一貫性のある体験がブランドを強くする

ブランディングにおいて最も重要なのは、「あのブランドらしさ」を感じられる一貫性です。
それはロゴやフォントだけでなく、問い合わせ対応のスピードやWebサイトのナビゲーションにも反映されるべきものです。

“ハロー効果”とUX

心理学の「ハロー効果」では、ある一つのポジティブな印象が、他の要素の評価にも波及すると言われています。
たとえば「このサイト、動きがスムーズで気持ちいい」と感じれば、サービスそのものへの信頼も高まりやすくなります。

UXがブランド価値を高める4つの視点

1. 機能性:操作が簡単であること

ユーザーが迷わず目的を達成できる設計は、ブランドの「信頼性」につながります。

2. 感情:ポジティブな感情を喚起すること

トーンやアニメーションがポジティブな感情を喚起すれば、記憶に残る体験となり、リピーターを増やします。

3. ストレスの最小化

読み込み速度やエラー表示の工夫は、ユーザーのストレスを抑え、快適なブランド印象を醸成します。

4. サポート体験の一貫性

FAQ、チャット、問い合わせページなどのサポート動線もUXの一部。ユーザーとの信頼関係を築く上で重要な接点です。

UXとブランドを統合するデザインアプローチ

表層と構造を両軸で設計する

UI(見た目)だけでなく、情報構造や導線設計も含めた“体験設計”が、ブランドとの一致感をつくります。
サンアンドムーンでは、ユーザー視点を起点に、ビジュアルと体験を統合したブランディングを支援します。

UXライティングの役割

ボタンラベルやエラーメッセージなど、ミクロな言葉づかいもブランド体験を形づくります。
誠実さ、親しみ、知性──言葉一つで伝わる印象は変わります。

まとめ

ブランドは「見た目」ではなく、「使われ方」で記憶される時代です。
UXの質は、ユーザーがブランドに抱く感情や記憶を決定づけ、ファンになるか、離脱するかを左右します。
ブランディングとUXは、決して切り離さず、「体験としてのブランド」を設計することがこれからのスタンダードです。