一般的に、デザインは主観的なものであると捉えられがちです。しかし、サンアンドムーンが考えるデザインとは、ユーザーの目的を達成するためのロジカルな手段であり、感覚だけに頼るものではありません。
ユーザーは、「何かをしたい」「何かを知りたい」という目的を持ってWEBサイトやアプリを訪れます。その目的をスムーズに叶えるためには、ユーザーの行動を導く情報設計とインターフェースが不可欠です。その設計の指針となるのが、人間の知覚の仕組みに基づいたゲシュタルト原理です。
ゲシュタルト原理は、視覚的な情報処理に関する心理学的法則で、「人はどのように情報を整理し、意味を見出すか」を説明するものです。サンアンドムーンはこの原理を、ワイヤーフレーム設計やUIパーツの配置において積極的に活用しています。今回は、特に活用頻度の高い3つの原理「類似性」「近接性」「共通領域」にフォーカスし、サンアンドムーンがどのようにこれらをデザインに取り入れているかをご紹介します。
Contents
WEBサイトにおける3つのゲシュタルト原理
類似性 – 「見た目が似ている要素は、同じ意味を持つ」
ユーザーは、見た目が似ている要素に対して、無意識のうちに共通の意味や機能を見出します。
たとえば、サンアンドムーンが手がける管理画面UIでは、アクションボタンの色や形状を統一しています。これにより、ユーザーは「このボタンは何をするものか」を瞬時に認識し、迷わず操作できます。
こうした視覚的一貫性は、特に複雑なフローや複数ページをまたぐ構成において、ユーザーの認知負荷を軽減する有効な手法となります。
近接性 – 「距離が近い要素は、関連していると見なされる」
要素同士の物理的な距離も、ユーザーの理解に大きな影響を与えます。
例えば、フォーム設計においてラベルと入力欄の距離が適切であることは基本中の基本ですが、私たちはそれだけにとどまらず、関連する補足情報や注意書きも含めて“ひとかたまり”として配置するようにしています。
これにより、ユーザーは視線を自然に動かすだけで情報の意味を捉えられ、スムーズな入力体験が実現します。
共通領域 – 「同じ領域にある要素は、ひとつのグループとして認識される」
私たちがよく採用するデザイン手法の一つに、ビジュアル的な”囲い込み”があります。
たとえば、ナビゲーションメニューやダッシュボード上のカテゴリグループを、ボックスや背景色によってまとめることで、「ここは機能単位で分かれている」「この中に関連情報がまとまっている」とユーザーに自然と伝えることができます。
視覚的なグルーピングによって、ユーザーはどこを見れば何ができるのかを理解しやすくなり、情報の探索・操作がよりスムーズになります。
まとめ
サンアンドムーンでは、UI/UX設計において「美しさ」と「使いやすさ」の両立を重視しています。そのために、ゲシュタルト原理のような人間の認知メカニズムに根ざした設計ロジックを積極的に取り入れています。
類似性・近接性・共通領域といった原理は、WEBサイトやUIコンポーネント設計において、特に即効性があり、日常的に活用できる視覚ルールです。ユーザーにとって迷いのない体験を生み出すためにも、今後も私たちはこれらの原理を軸にした提案を続けていきます。
ゲシュタルト原理を理解し、WEBサイトに応用することで、ユーザーにとって「直感的で使いやすい」デザインを実現できます。特に「類似性」「近接性」「共通領域」の3つは、すぐにでも実践可能な視覚原則です。