フォントは、デザインにおいて情報構造とブランド印象を形づくる重要な要素です。同じサイズやスタイルの文字ばかりでは情報の優先度が伝わらず、ユーザーは必要な情報を見つけにくくなります。そこで役立つのが「タイポグラフィ階層」です。見出しや本文でサイズや太さを変えることで、視線を誘導し重要箇所を示せます。
新聞見出しや章タイトルが大きく表示されるように、デジタルでもフォントは情報の重要度を示します。また、弱視者を含む全てのユーザーに配慮した文字サイズやコントラストはアクセシビリティ向上に直結します。
さらに、ブランドガイドラインに沿ったフォントは一貫性と信頼感を高め、ブランドの象徴となることもあります。フォント選びは美しさだけでなく、情報設計・ユーザビリティ・ブランド戦略に関わる重要なプロセスです。
適切なフォントを選定する際に押さえておきたい7つの重要ポイントは以下の通りです。
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ブランドにふさわしいフォントを
フォントはブランドの印象を左右する重要な要素です。
信頼感や親しみやすさ、先進性など、伝えたい価値やメッセージに沿ったフォントを選びましょう。
高級感を演出するなら落ち着いたセリフ体、親しみやすさを重視するなら丸みのあるサンセリフ体が有効です。プロダクトのトーン&マナーとUIテキストの声色(Voice & Tone)を合わせ、言葉と見た目の齟齬をなくします。
読みやすさを最優先に
デザイン性が高くても、可読性が低いフォントは離脱の原因になります。
本文では過度に装飾的な書体は避け、見出しやキャンペーンコピーなどポイントを絞って使うのが得策です。小さな文字サイズでも視認性が保たれるか、行間・字間・段落間のリズムが適切かを必ず確認します。
セリフ vs サンセリフ、使い分けガイド
セリフ体は行送りのガイドとなり長文を読みやすくします。
サンセリフ体はシンプルでモダンな印象を与え、UIのラベルや短文に向きます。
読者層やデバイス環境(Retina/非Retina、モバイル/デスクトップ)を踏まえ、紙と画面での最適解を切り分けます。
フォントファミリーで統一性と柔軟性を
太さやスタイルのバリエーションが豊富なファミリーを選ぶと、統一感を保ちながら情報の優先度を表現できます。
見出しはBold、本文はRegular、強調はItalicなど、役割ごとにルールを決めて運用します。
スタイルガイドに用例を添え、誰が作っても揺れない状態を目指します。
フォントの数は抑えて、混乱を避ける
書体を多用すると印象が散漫になります。基本は2〜3書体以内に抑えます。
1ファミリー構成でも、サイズ・太さ・字間の設計で十分なコントラストとヒエラルキーを作れます。
似すぎた書体の組み合わせはNG
形が近い書体同士は差が伝わりにくく“不自然な違和感”を生みます。
選ぶなら、違いが意図として認識できる組み合わせにします。
骨格・コントラスト・xハイトなど、少なくとも一つは明確な差を持たせます。
対比を効かせるフォントペアで魅せる
セリフ+サンセリフのように特徴が異なる組み合わせは、視覚的メリハリを生みます。
共通点(例:似たxハイトや筆圧コントラスト)を一つ持たせ、その他の要素で大胆に差を出すと調和しやすくなります。
サイズ・太さ・余白設計と合わせて、視線の流れをデザインします。
まとめ
フォント選びは、見た目の好みではなく“読ませ、伝える”ための設計です。
ヒエラルキーで導線を示し、可読性で負荷を下げ、ブランドとの整合で体験の一貫性を高めます。数を絞り、対比を明確にし、ファミリーで運用する。この基本を徹底するだけで、文章は読みやすく、体験は記憶に残るものになります。































