AIとクリエイティブの未来を共につくるパートナー募集

すべての人に届くWebサイトへ。Vol.2|「見えにくい」「わかりにくい」を、設計で解決する

前回の記事(すべての人に届くWebサイトへ。Vol.1|Webアクセシビリティとは何か、なぜ今必要なのか)では、アクセシビリティが特定の人への対応ではなく、すべての人への配慮であることをお伝えしました。今回はその続きです。

今回のテーマは、「見えにくい」「わかりにくい」をデザインの力で解決することです。色やフォントの工夫で誰もが読みやすいWebサイトをつくるアクセシビリティ設計の実践を整理していきます。誰かの不便をそのままにしない——私たちサンアンドムーンは、そうしたやさしい設計の姿勢が、UXデザインの出発点にあると考えています。

色だけに頼らない情報の伝え方

Webサイトにおいて、色は情報を伝えるとても便利な手段です。注意を引きたい箇所を赤くする、成功メッセージを緑で表示する、リンクを青くする——こうした色の使い分けは、多くのサイトで当たり前のように行われています。しかし、色だけで情報を伝えてしまうと、色の見え方が異なる方には正確に届かない可能性があるのです。たとえば、フォームの入力エラーを赤い文字だけで示しているケースを考えてみてください。赤と緑の区別がつきにくい方にとっては、どこにエラーがあるのかがわかりません。解決策はとてもシンプルです。色に加えて、文字によるメッセージやアイコン、下線、太字など、複数の手段で情報を伝えることです。「色が見えなくても意味が伝わる」設計が、アクセシビリティの基本的な考え方です。

「読める文字」の条件を整える

「文字が小さくて読みにくい」という体験は、多くの人が感じたことがあるのではないでしょうか。老眼が進んだ方、視力が低下している方、明るい屋外でスマートフォンを使っている方——読みにくさを感じる状況は、思いのほか日常の中にあります。フォントサイズは本文で16px以上を目安にすること、行間は文字サイズの1.5〜2倍程度にすること、背景と文字のコントラスト比を十分に確保すること——こうした基本的な設計が、「読める文字」の条件を整えます。「どうせ読んでもらえる」という思い込みを外して、「読んでもらいやすくする努力」を積み重ねることが、アクセシビリティ設計の第一歩です。

「わかりにくさ」は、言葉でも解決できる

見えにくさと並んで大切なのが、「わかりにくさ」への対処です。専門用語が多い文章、長すぎる一文、曖昧な指示——こうした言葉の問題も、アクセシビリティに含まれます。「詳しくはこちら」というリンクテキストより「サービス内容の詳細を見る」と書いたほうが、読み上げソフトを使っている方にも、初めて訪問した方にも親切です。言葉を丁寧に選ぶことが、サイトの「わかりやすさ」を大きく左右します。

まとめ

「見えにくい」「わかりにくい」を設計で解決することが、アクセシビリティの実践です。色だけに頼らない情報の伝え方、読みやすいフォントとコントラストの確保、丁寧な言葉の選択——これらの積み重ねが、より多くの人に届くWebサイトをつくります。「誰かの不便をそのままにしない」という姿勢が、アクセシビリティ設計の第一歩になります。

記事監修

中谷 浩和

中谷 浩和

株式会社サンアンドムーン|代表取締役

1976年創業のデザイン事務所を前身に、Webコンサルティング・UI/UXデザインを専門とする。
国際標準のUX設計プロセスを学ぶ Google UX Design Professional Certificate を取得し、 上級ウェブ解析士 としてデータ主導のサイト改善にも精通。デザイン思考を軸に、ユーザー認知・行動・文脈からWebサイトの課題を捉え直し、成果につながる設計へ落とし込むことを使命としている。システム設計、フロントエンド技術、SEO・パフォーマンス改善まで技術知識を横断し、サイト全体を見通したディレクションを得意とする。自動車メーカー、銀行・クレジットカード、保険などの大手から中小企業まで、数値で検証しながら改善を積み重ねる実践的なコンサルティングを提供している。

サンアンドムーンへのご相談はこちら

直感で選ばれるデザインへ。心理学に基づいたUI設計を。

無料でUX診断を依頼する