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すべての人に届くWebサイトへ。Vol.1|Webアクセシビリティとは何か、なぜ今必要なのか

今回のテーマは、Webアクセシビリティとは何か、そしてなぜ今必要なのかです。「特別な対応」ではなく「すべての人への配慮」として、あらためてその本質を整理していきます。一部の人のための特別な配慮ではなく、あらゆる人の「使いにくい」を設計で丁寧に解消していく。それが、私たちサンアンドムーンが大切にしているUXデザインの出発点です。

特別な対応ではなく、すべての人への配慮である

「アクセシビリティ」と聞くと、障害のある方のための専門的な対応を思い浮かべる方が多いかもしれません。もちろんそれは大切な側面のひとつですが、実はもう少し広い意味を持っています。アクセシビリティとは、「情報やサービスにたどり着ける状態をつくること」がその本質です。老眼が進んで小さな文字が読みづらくなった方。片手に荷物を持っていてスマートフォンの操作がしにくい方。慣れない業界用語ばかりのページに戸惑っている方。こうした「ちょっとした使いにくさ」を感じている人は、想像以上にたくさんいらっしゃいます。Webアクセシビリティとは、こうした多様な状況にある方々が、等しく情報にたどり着けるようにするための設計の考え方です。この丁寧さは結果として、サイト全体の使いやすさをそっと底上げしてくれるのです。

「使いにくい」は、誰のすぐそばにもある

「うちのサイトの訪問者にはあまり関係ないのでは」という声をいただくことがあります。でも、「使いにくい」という体験は、実は誰のすぐそばにもあるのです。夕方、長時間のデスクワークで目が疲れているとき、薄い色の文字は途端に読みにくくなります。満員電車の中で片手しか使えないとき、小さなリンクを正確にタップするのはとても大変です。外出先で太陽光が画面に反射しているとき、コントラストの低いデザインでは内容を読み取ることすら難しくなります。このように「使いにくさ」は、特定の人だけの問題ではありません。朝の通勤電車でスマートフォンの画面を見ようとして、日差しが眩しくて文字が読めない——こうした経験は、多くの方に心当たりがあるはずです。

アクセシビリティが、サイト全体の品質を高める

アクセシビリティへの取り組みは、特定のユーザーへの配慮というだけでなく、Webサイト全体の品質向上につながります。文字サイズや色のコントラストを適切に設定することは、すべての人にとっての読みやすさを改善します。画像に代替テキストを設定することは、検索エンジンへの伝わりやすさにも好影響を与えます。操作しやすいボタンの大きさや間隔は、スマートフォンユーザー全員のタップ体験をスムーズにします。「誰でも使える」設計は、「誰にとっても使いやすい」設計と同義です。アクセシビリティを意識したWebサイトは、結果としてより多くの人に価値を届けられるサイトになるのです。

まとめ

Webアクセシビリティは、障害のある方のためだけの特別な対応ではなく、あらゆる人が情報にたどり着けるための設計思想です。「使いにくい」という体験は、誰のすぐそばにもあります。アクセシビリティを意識した設計は、サイト全体の使いやすさを底上げし、より多くの人に価値を届けることにつながります。「すべての人への配慮」を設計の基本に置くことが、信頼されるWebサイトへの第一歩になります。

記事監修

中谷 浩和

中谷 浩和

株式会社サンアンドムーン|代表取締役

1976年創業のデザイン事務所を前身に、Webコンサルティング・UI/UXデザインを専門とする。
国際標準のUX設計プロセスを学ぶ Google UX Design Professional Certificate を取得し、 上級ウェブ解析士 としてデータ主導のサイト改善にも精通。デザイン思考を軸に、ユーザー認知・行動・文脈からWebサイトの課題を捉え直し、成果につながる設計へ落とし込むことを使命としている。システム設計、フロントエンド技術、SEO・パフォーマンス改善まで技術知識を横断し、サイト全体を見通したディレクションを得意とする。自動車メーカー、銀行・クレジットカード、保険などの大手から中小企業まで、数値で検証しながら改善を積み重ねる実践的なコンサルティングを提供している。

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