今回のテーマは、「変えたい」という感覚とWebの関係です。会社を変えようとするとき、なぜWebが最初の一手になるのかをUXの視点から整理していきます。
朝、自社のWebサイトを開いて、なんとなく画面を閉じてしまったことはないでしょうか。「悪くはないけれど、何かが違う気がする」——その感覚、実はとても正直なシグナルかもしれません。言葉にはしにくいけれど、どこかに違和感がある。それが変化のきっかけになることは、思いのほか多いのです。UXデザインの出発点を、私たちサンアンドムーンは「この小さな違和感」に置いています。
「変えたい」という感覚は、正しいシグナルである
「なんとなく変えたい」という気持ちは、ぼんやりしているようで、実は鋭い観察から生まれています。問い合わせが以前より減った気がする、お客様に「ホームページを見てもよくわからなかった」と言われた、競合他社のサイトを見てなんとなく見劣りした——そういった体験の積み重ねが、あの「何か変えたい」という感覚に結びついているのです。この感覚を「気のせい」と流してしまうのは、少しもったいないかもしれません。人が何かを「おかしい」と感じるとき、多くの場合、そこには現実のズレが隠れています。「変えたい」という感覚は、会社が成長しようとしているサインでもあります。
なぜWebが、最初の一手になるのか
会社を変えようとするとき、選択肢はたくさんあります。新しいサービスを開発する、営業方法を見直す、人を採用する——どれも大切な取り組みです。では、なぜWebなのでしょうか。Webサイトが「会社の顔」として24時間働き続けているからです。営業担当者が眠っている夜中でも、お客様はサイトを見ています。採用候補者が会社を調べるとき、取引先が信頼性を確認するとき、まず開かれるのがWebサイトです。その顔が「なんとなく古い」「なんとなく伝わらない」状態のままでは、せっかくの機会を逃してしまうかもしれません。もうひとつの理由は、Webは比較的早く動けることです。新しい商品の開発には時間と費用がかかります。でも、Webサイトのメッセージを整えたり、ページの構成を見直したりすることは、会社の規模に関係なく取り組めます。
Webを変えることは、会社を見つめ直すことでもある
Webサイトをリニューアルする過程で、多くの会社が気づくことがあります。それは、Webの課題を解決しようとすると、自ずと「自分たちの会社は何者か」「誰に何を届けたいのか」という問いに向き合うことになる、ということです。誰に向けて何を伝えるのかが明確にならないと、サイトの構成も文章も決まらない。その問いに向き合う中で、会社の方向性が少し整理されたり、スタッフ同士で共通の言葉が生まれたりすることもあります。Webを変えることは、単に見た目を新しくすることではありません。会社を外から見つめ直す機会であり、今後の発信の土台を作り直す作業でもあります。
まとめ
「なんとなく変えたい」という感覚は、曖昧に見えて実はとても正直なシグナルです。その感覚に向き合い、Webを起点として動き始めることで、会社を外から見つめ直す機会が生まれます。Webサイトは24時間、会社の顔として働き続けています。その顔を丁寧に整えることが、次の変化への第一歩になります。
記事監修

中谷 浩和
株式会社サンアンドムーン|代表取締役
1976年創業のデザイン事務所を前身に、Webコンサルティング・UI/UXデザインを専門とする。
国際標準のUX設計プロセスを学ぶ Google UX Design Professional Certificate を取得し、 上級ウェブ解析士 としてデータ主導のサイト改善にも精通。デザイン思考を軸に、ユーザー認知・行動・文脈からWebサイトの課題を捉え直し、成果につながる設計へ落とし込むことを使命としている。システム設計、フロントエンド技術、SEO・パフォーマンス改善まで技術知識を横断し、サイト全体を見通したディレクションを得意とする。自動車メーカー、銀行・クレジットカード、保険などの大手から中小企業まで、数値で検証しながら改善を積み重ねる実践的なコンサルティングを提供している。



























