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Vol.1|Webサイトは完成した瞬間から古くなる

新しいWebサイトが完成した日、担当者さんはきっとホッとひと息ついたのではないでしょうか。その達成感は本物です。ただ、その翌日からユーザーの行動は変わり、競合はコンテンツを更新し、検索エンジンのアルゴリズムも静かに変化し続けています。完成した瞬間から、サイトは少しずつ「過去のもの」へと向かいはじめるかもしれません。UXデザインの出発点を、私たちサンアンドムーンは「公開後」に置いています。

完成は「ゴール」ではなく「仮説の提出」

Webサイトを作るとき、「誰に何を伝えるか」「どんなデザインが届くか」「どのページに誘導すべきか」を一生懸命考えます。それ自体はとても大切なことです。ただ、その答えはあくまで「仮説」にすぎないかもしれません。たとえば、問い合わせボタンを目立つ場所に置いたとします。「きっとここが一番クリックされるはず」という、設計上の仮説ですよね。でも実際に公開してみると、そのボタンはほとんど押されず、ユーザーはまったく別の場所をクリックしていた——そんなことが、Webの世界では珍しくないのです。Webサイトの完成は、長い対話の「はじめの一手」ではないでしょうか。サイトを世に出すことで初めて、本物のユーザーの行動データが手に入ります。その情報こそが、次の改善への地図になっていくのです。

古くなるのはデザインだけじゃない

「デザインが古くなるのはわかる。でも、作ったばかりのサイトが古い?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。実は、変化するのは見た目だけではないのです。業界の状況は変わります。お客様が抱える悩みも変わります。競合他社がどんどん新しい情報を発信すれば、相対的に自社サイトの情報は「古い」と受け取られてしまうこともあります。また、スマートフォンの普及や検索の仕組みの変化によって、「かつては正解だった設計」が少しずつ足かせになることもあるでしょう。Webサイトを生きたものとして育てるためには、完成後も定期的に見直す習慣が必要です。

「改善を前提にした設計」という考え方

サンアンドムーンでは、Webサイトを「完成させるもの」ではなく「育てるもの」として捉えています。最初のリリースは、あくまでも最初の仮説の検証。そこから得られたデータや反応をもとに、少しずつ磨いていくプロセスこそが、Webサイトを成果につなげる本質だと考えています。改善を前提に設計すること——それは「またいつかリニューアルしよう」ではなく、「小さな改善を続けていく仕組みをつくる」ことです。その姿勢が、長く成果を出し続けるWebサイトの基盤になります。

まとめ

Webサイトは完成した瞬間から変化の中に置かれます。公開日に最善の仮説を提出し、その後のユーザーの反応から学び続けることが、真の意味での「良いWebサイト」をつくるプロセスです。「完成=ゴール」ではなく「完成=スタート」という視点への切り替えが、成果を出し続けるWebサイトへの第一歩になります。

記事監修

中谷 浩和

中谷 浩和

株式会社サンアンドムーン|代表取締役

1976年創業のデザイン事務所を前身に、Webコンサルティング・UI/UXデザインを専門とする。
国際標準のUX設計プロセスを学ぶ Google UX Design Professional Certificate を取得し、 上級ウェブ解析士 としてデータ主導のサイト改善にも精通。デザイン思考を軸に、ユーザー認知・行動・文脈からWebサイトの課題を捉え直し、成果につながる設計へ落とし込むことを使命としている。システム設計、フロントエンド技術、SEO・パフォーマンス改善まで技術知識を横断し、サイト全体を見通したディレクションを得意とする。自動車メーカー、銀行・クレジットカード、保険などの大手から中小企業まで、数値で検証しながら改善を積み重ねる実践的なコンサルティングを提供している。

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