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Vol.6|リニューアルは、ゴールではなくスタートライン

前回の記事(Vol.5|Webサイトに、会社の想いを込めるということ)では、情報の正確さだけでなく、サイト全体の「雰囲気」が訪問者の信頼感を左右することをお伝えしました。今回はシリーズの最終回です。

今回のテーマは、Webサイトの公開後の育て方です。リニューアルのゴールは「公開すること」ではなく、「公開してから始まること」です。UXデザインの出発点を、私たちサンアンドムーンは「公開後の継続的な育て方」に置いています。

公開直後が、いちばん古い

少し逆説的に聞こえるかもしれませんが、Webサイトは公開した瞬間から少しずつ「過去のもの」になりはじめます。業界の状況は変わります。競合は新しい情報を発信し続けます。お客様の求めるものも、じわじわと変化していきます。リニューアル直後のサイトには、その時点での「ベストな仮説」が詰まっています。でもそれはあくまで仮説です。実際にユーザーが使いはじめると、設計者の予想とは違う動きが見えてきます。「このボタン、そんなに押されないんだ」「このページで思ったより時間を使ってくれているんだ」——そういった発見が、次の改善のヒントになっていきます。公開を終わりだと思うと、その後の変化に気づきにくくなります。「まだ始まった」と思うことで、Webサイトを生きたものとして育てていける。そのマインドセットの違いが、1年後・3年後の成果の差を生むのかもしれません。

「育てる仕組み」を公開前に設計する

公開後に改善を続けるためには、「続けやすい仕組み」が必要です。担当者が一人でもコンテンツを更新できるCMS設計、月に一度の振り返りが苦にならないシンプルな指標の設定、変更しやすいページ構成——こうした「育てやすい土台」を制作段階から考えておくことが、長く成果を出すWebサイトの条件になります。リニューアルのゴールは「良いサイトを作ること」ではなく「良いサイトを育て続けられる体制を作ること」だと、サンアンドムーンは考えています。

このシリーズを振り返って

全6回を通じて、Webリニューアルを成功させるための考え方をお伝えしてきました。「変えたい」という感覚を大切にするところから始まり、現状把握・ブランドの言語化・正しい設計の順序・想いの込め方、そして「公開後も育て続けること」。これらはすべて、「Webサイトは作って終わりではなく、使われてはじめて育つ」という考え方につながっています。リニューアルをお考えの方の、何かしらのヒントになっていれば幸いです。

まとめ

Webサイトのリニューアルは、公開がゴールではありません。公開した瞬間から育て続けることが、長く成果を生み続けるサイトへの道です。「続けやすい仕組み」を公開前から設計し、データを見ながら小さな改善を積み重ねること——それが、リニューアルを本当の意味で成功させる第一歩になります。

記事監修

中谷 浩和

中谷 浩和

株式会社サンアンドムーン|代表取締役

1976年創業のデザイン事務所を前身に、Webコンサルティング・UI/UXデザインを専門とする。
国際標準のUX設計プロセスを学ぶ Google UX Design Professional Certificate を取得し、 上級ウェブ解析士 としてデータ主導のサイト改善にも精通。デザイン思考を軸に、ユーザー認知・行動・文脈からWebサイトの課題を捉え直し、成果につながる設計へ落とし込むことを使命としている。システム設計、フロントエンド技術、SEO・パフォーマンス改善まで技術知識を横断し、サイト全体を見通したディレクションを得意とする。自動車メーカー、銀行・クレジットカード、保険などの大手から中小企業まで、数値で検証しながら改善を積み重ねる実践的なコンサルティングを提供している。

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